12 使徒

12使徒の紹介

<ペトロ(シモン)>

・出身:ガリラヤ地方

・所属:イエス3大側近の1人、

    元漁師、弟子のリーダー

    弟アンデレとイエスからスカウト

・人格:リーダーの割に腰抜け

    失敗しイエスによく叱られる

    人間的弱さ有

・逸話:元の名をシモン

    イエスからペトロという名前をもらう

    受難中にイエスとの関係を3度も否定

・歴史:ローマ教皇の1代目がペトロ

    イエスの復活・昇天・聖霊降臨を機に、岩のような信仰を持ち宣教する。

 

<アンデレ>

・出身:ガリラヤ地方

・所属:元漁師、ペトロの弟

    兄ペトロとイエスからスカウト

・逸話:5つパンと2匹魚の奇跡...

これを手にした少年をイエスの元へ連れて行ったのはアンデレ。

 

ゼベダイの子ヤコブ(大ヤコブ)>

・出身:ガリラヤ地方

・所属:イエス3大側近の1人、

    元漁師、ヨハネの兄

    弟ヨハネと共にイエスからスカウト

・人格:兄弟揃って怒りん坊

 

ヨハネ(使徒ヨハネ)>

・出身:ガリラヤ地方

・所属:イエス3大側近の1人、元漁師

・人格:兄弟揃って怒りん坊、

    愛称 “雷の子”

    憎めない愛されキャラ

・歴史:12使徒で唯一殉教していない弟子

    伝統的に新約聖書の聖書記者とされる

・逸話:ヨハネによる福音書では自身を“愛しておられた弟子”と言い登場させる。

 

<トマス>

エスの復活をすぐに信じなかったことで知られており、イエス様の傷を見、その傷穴に指を通してみて初めて信じた、という話は有名。

"疑いのトマス”や“不信のトマス”といった不名誉な呼び名も。 

 

<マタイ>

新約聖書の”マタイによる福音書”を書いたとされている人物。レビとも呼ばれる。弟子になる前は、ローマへ納める税を集める徴税人(ちょうぜいにん)である 上、人々から余分に取り立てたお金を着服していたり、しため嫌われていまし た。 イエス様に声をかけられて感激したマタイは仕事もお金も家も全て捨ててイエスに従った。

 


熱心党のシモン

熱心党というのは、ローマ帝国からの独立を目指す過激な宗教的政治集団のこと。正義感が強く情熱な性格だったため、このあだ名が付いたという説も。 聖書にはほとんど登場しないため、詳細不明ではある。しかし言い伝えで、エジプトで伝道を行い、その後同じく弟子のタダイと共に、ペルシアやアルメニア辺りで活動し殉教したと言われている。

 

ヤコブ(アルファイの子)>

ゼベダイの子ヤコブ(大ヤコブ)と区別するために、小ヤコブなどと呼ばれている。 聖書の登場頻度が低いが、外見がイエス様とよく似ていたとも言われている。ユダがイエスに口づけをし、捕まえるときの合図を出したのは、間違えて彼を逮捕しないようにしたからだとも言われている。

 

<ナタナエル(バルトロマイ)>

弟子のフィリポにすすめられてイエスの弟子になったと言われている。 イエスに初めて会ったときに、“真のイスラエル人”と褒められて感激したと、ヨハネ福音書に記事がある。「イエスはナタナエルが自分の方に来るのを見て、彼について言われた、『見 よ、あの人こそ、ほんとうのイスラエル人である。その心には偽りがない。』」

 

イスカリオテのユダ

エスを裏切った人物。 実際、英語でユダというと”裏切り者”を意味する。 他の弟子たちと違い、唯一ガリラヤ出身ではない。裏切りのせいで悪人のイメージが強いが、意外にもその素顔は 非常に真面目な常識人だったそう。


<タダイ>

ユダ・タダイ、ヤコブの子ユダ、レバイと呼ぶタダイなど様々な呼び方があります。聖書にはほとんど登場しません。 タダイの本名はユダであり、これはあのイエスキリストを裏切ったイスカリオテ のユダと同じ名。 そのため、イスカリオテのユダと混同しないためにタダイへ のお祈りも避けられるようになり、“忘れられた聖人”という不名誉な名前を付 けられてしまいました。ただし、バルトロマイと共にアルメニア宣教に行ったた め、この地方ではとても尊敬されています。

 

<フィリポ>

使徒たちの中ではあまり目立ちませんが、温厚で人当たりの良い人物だったそう。聖書にもほとんど登場しませんが、イエス様が「私についてきなさい」とはっきり語られた最初の弟子です。 (ヨハネによる福音書 1 章 43 節)x また、聖書を見ると、イエス様の言葉の意味を掴めず、とんちんかんなことを 言ってしまう天然発言が多く、その性格も考えると、フィリポさんは 12 弟子の 中でも癒し系のキャラクターなのかもしれません。イエス様の昇天後はトルコ 西部で宣教を行い、ヒエラポリスの神殿にいる蛇たちを退治するなど、大活躍したそうです。しかし、これが町のお偉いさんたちの反発を招き、”逆十字 の刑”によって殉教しました。
 

<マティア>

(イスカリオテのユダが裏切った後に弟子となった) 実はマティアは、イスカリオテのユダが自殺してしまったのでその後任として 12 弟子入りをしたいわば新 12 弟子メンバーなのです。ユダの死後、12 弟子たちはもちろん他の 120 人もの弟子たちも集まって後釜を誰にするか議論を重ねました。 (使徒行伝 1 章 23~26 節)xi その結果、いつもイエス様と共にいたバルサバとマティアの 2 人が候補として 選ばれたのです。そして、リーダーのペテロが 2 人について祈り※くじ引きを 引くと、マティアが新しい使徒として選ばれました。

※当時、くじ引きは神様の意志を知るための方法として使われていました。

 

パウロ

新約聖書の多くの手紙を書いており、その手紙の内容が後のキリスト教神学に 大きな影響を与えました。3 度の宣教旅行を行い、キリスト教を世界的に広める偉業をなしとげたキリスト教界の最重要人物の一人。ならば、なぜ、12 使徒に入っていないのでしょう? それは、パウロは、生前のイエス・キリストとはあってともに過ごすことはなかっ たからです。12 使徒たちはみんな生前のイエスキリストと出会い、ともに活動し ていました。 パウロはイエスキリスト存命の頃はむしろ、キリスト教徒を迫害していましたが、 劇的な出来事があり、イエス様から直接呼びかけられて、弟子になりました。

 

エスの弟子のトリビア

⚫️イエスのお気に入り?

ペトロ・アンデレ・ゼベダイの子ヤコブの 3 人の弟子たちは、特にイエスのお気に入りの弟子で、 どこへ行くときにも連れて行っていたようです。

 

⚫ 有名な「使徒」と呼ばれる弟子たちは、イエスから声を掛けられ、イエスに従って、行動を共にした 人たちです。特に最初に選ばれた 12 人が「12 使徒」として有名ですね。12 使徒の他、72 人の弟子たちを選び、イエスが行く予定だった村々に派遣しています。


⚫ イエスは、人間的に高い能力を持った人や高名な人・裕福な人たちでなく、貧しく、教養もあまりな いような漁師、罪びとであった徴税人などに声を掛け弟子にしました。

 

⚫ また、世の中の片隅で生きていた人たちは、イエスの言葉と行いに感銘を受け、7 つの悪霊を追い出してもらったマグダラのマリアをはじめ、女性を含む多くの人たちが弟子となり、伝道旅行に同行したり、イエスの一行をもてなしたりしました。

 

エスの死後、変わる弟子たち

⚫ 弟子たちは、生前は、なんとも人間の弱さ丸出しの頼りない弟子たちでしたが、イエス・キリストが死から復活し、昇天されたのち、聖霊がくだると、力強く世界各地に宣教に赴き、その教えを広めていきました。

 

⚫ すぐその後、イエス神の国を宣べ伝え、その福音を告げ知らせながら、町や村を巡って旅を続けられた。十二人も一緒だった。悪霊を追い出して病気をいやしていただいた何人かの婦人たち、す なわち、七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれるマリア、ヘロデの家令クザの 妻ヨハナ、それにスサンナ、そのほか多くの婦人たちも一緒であった。彼女たちは、自分の持ち物を 出し合って、一行に奉仕していた。ルカによる福音書 8章1節~3節 より

 

マグダラのマリア

 

 


パウロについて

多くの聖書の書簡を記し、キリスト教を各地に広めた偉大な伝道者であるパウロの名前は、お聞きになったことがおありかと思います。 キリスト教の宣教のために 3 度の宣教旅行を通して奔走し、 キリスト教の礎を築いたともいわれています。しかし、パウロは生前のイエスには会っておらず、イエ スの復活と昇天の後、弟子になった一人です。彼は、イエスの生きている間、ファリサイ派として、キ リストの信者を迫害する側だったのですが、十字架と復活のあとのイエスとの衝撃的な出会いの 後、キリストの弟子として、働くようになりました。使徒言行録 9 章より

 

イエス・キリストに直接選ばれて弟子となり、生前のイエスと行動を共にした 12 人の弟子たちは「12 使徒」と呼ばれています。イエス・キリストが昇天後は世界各地に散っていき、それぞれ、その教え を広めていきました。 キリストの使徒復活の後、聖霊の恵みを受け、宣教に向かったそれぞれの地で、多くの人々をキリストのもとに導きましたが、ヨハネを除く使徒たちは、時の権力者に捕えられ、殉教 しています。

 

 

 

現在もいる... 12使徒の後継者!

12 使徒のうちでも、一番弟子のペトロの後継者は、「ローマ教皇」と呼ばれ、現在は、第 266 代目、2019 年 11 月に来日された、フランシスコ教皇です。

▶︎「教皇について」へ

 

弟子たちは何で選ばれたのか?

エスは、社会的地位が決して高いと言えない人々を多く弟子にした。宣教=対人には、人格者が適任と思うが。イエスが選んだのは、社会的にも、人格的にも、決して強いとは言えない。金持ちで、社会的地位がある者達をなぜ選ばなかったのか?

むしろ、ダメダメな人、かまってあげないと...、何処と無く愛嬌がある、そんな人物を積極的に採用していたようだ。

 

弟子たちの凄さ

全世界へ宣教へ行ったこと。弟子たちの活躍は、教会の基礎となっているのだ。今のように、鉄道・飛行機・自動車...交通手段が何も無かった時代に


 参考資料
i (マタイによる福音書 4 章 18~20 節) 「さて、イエスガリラヤの海べを歩いておられると、ふたりの兄弟、すなわち、ペテロと呼ばれ たシモンとその兄弟アンデレとが、海に網を打っているのをごらんになった。彼らは漁師であっ た。イエスは彼らに言われた、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあ げよう」。すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従った。」

 


ii 復活・昇天・聖霊降臨
イエス・キリスト」は十字架にかけられ、一度死にますが、3 日目に復活し、弟子の前に現れま す。その後、しばらく一緒に過ごし、40 日目に天に昇っていきます。これを「昇天」と言います。 そして、天に昇ったイエス様は、生前の約束通り、「聖霊」を送ってくださり、弟子たちは、これを 受けて、力強く宣教を始めていきます。


iii「弟子のひとり、シモン・ペテロの兄弟アンデレがイエスに言った、「ここに、大麦のパン五つ と、さかな二ひきとを持っている子供がいます。」


iv 「そこから進んで行かれると、ほかのふたりの兄弟、すなわち、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟 ヨハネとが、父ゼベダイと一緒に、舟の中で網を繕っているのをごらんになった。そこで彼らをお 招きになると、すぐ舟と父とをおいて、イエスに従って行った。」


v 「弟子たちのひとりで、イエスの愛しておられた者が、み胸に近く席についていた。」 vi
「ほかの弟子たちが、彼に「わたしたちは主にお目にかかった」と言うと、トマスは彼らに言っ た、「わたしは、その手に釘あとを見、わたしの指をその釘あとにさし入れ、また、わたしの手をそ のわきにさし入れてみなければ、決して信じない」。」


vii
「さてイエスはそこから進んで行かれ、マタイという人が収税所にすわっているのを見て、「わたし に従ってきなさい」と言われた。すると彼は立ちあがって、イエスに従った。」


 viii 「イエスを裏切った者が、あらかじめ彼らに、「わたしの接吻する者が、その人だ。その人をつ かまえろ」と合図をしておいた。彼はすぐイエスに近寄り、「先生、いかがですか」と言って、イエ スに接吻した。」


ix そのせいか、イエス様たちの会計係も任されていて、かなり信頼はされていたようです。 「ときに、十二弟子のひとりイスカリオテのユダは、イエスを祭司長たちに引きわたそうとして、 彼らの所へ行った。」


x 「その翌日、イエスガリラヤに行こうとされたが、ピリポに出会って言われた、「わたしに従っ てきなさい」。」


xi 「そこで一同は、バルサバと呼ばれ、またの名をユストというヨセフと、マッテヤとのふたりを 立て、祈って言った、「すべての人の心をご存じである主よ。このふたりのうちのどちらを選んで、 ユダがこの使徒の職務から落ちて、自分の行くべきところへ行ったそのあとを継がせなさいます か、お示し下さい」。それから、ふたりのためにくじを引いたところ、マッテヤに当ったので、この 人が十一人の使徒たちに加えられることになった。」