1.司祭(神父) とは
司祭は、神学生生活を経て、カトリックの司祭誓願 =独身と「貞潔・清貧・従順」)の誓いをたてた聖職者のこと。カトリックでは「〇〇神父様」と呼んでいます。司教の協力者で、教会の福音宣教活動と司牧活動に奉仕する人です。カトリック司祭は男性に限られ、独身が義務付けられています。司祭は教区、修道会、宣教会のいずれかに属し、それぞれの霊性と使徒職の使命を受けて社会と教会に奉仕しています。(参照: カトリック福岡教区HP)
"神父" 呼び方は?... 他教派では?
「〜牧師、牧師先生、先生」プロテスタント教会の司祭は、このように呼ばれることが多いそうです。聖公会・正教会でも「神父様」と呼ぶそうです。
2. 修道者・修道院とは?
i. 修道士・修道女会
修道士とは、カトリックの修道誓願を立てた禁欲的な信仰生活をする人(男)。「〜ブラザー」とも呼び、修道会に属しています。女性の場合は「修道女」といい「〜シスター」と呼びます。「〜マッスール (仏系)、マードレ〜(伊系)」とも呼ぶこともあります。修道会の文化背景によって、少しずつ呼び方も異なります。
正教会(ギリシャ正教・ロシア正教) にも、修道士・修道女がいます。ギリシャのアトス山は、女人禁制の修道院がある場所として有名で。巡礼地としても知られています。
ii. 観想修道会・活動修道会
修道院に籠り集団生活をして、「祈り働く」生活を営むのが、観想修道会です。日本では厳律シトー会(トラピスチヌ、トラピスト)カルメル修道会、クララ会、があります。
しかしながら、マザー・テレサのように日常的に修道院外に居住し、市井で直接的に人々に奉仕を行う修道会もあります。それを活動修道会といいます。彼らも生活の単位は集団生活であることに変わりありません。彼らは修道院に籠ることなく、外に出て、人々の間で奉仕生活を行います。例えば、日本のカトリック系のミッションスクールの多くは活動修道会のシスター・ブラザーによって創立されています。
3. 映画の登場人物でみてみよう!
『ローマ法王になる日まで』(2015・伊 )
第266代ローマ教皇、フランシスコの半生を描いた実録ドラマ。20歳でイエズス会に入会した青年が激動の人生を歩むさまを、彼を支えた人々とともに描く。
『薔薇の名前』1986・仏伊西独 合作
中世のある教会を舞台に謎の連続殺人事件解明にのり出す中年の僧と見習修道士の姿を描く。
『天使にラブ・ソングを』 1992・米
主人公のクラブ歌手・デロリスが殺人現場を目撃したことから命を狙われ、修道院にてシスターとしての生活を始める物語。最早みたことのない人はいないのでは?まだの方は笑い転げる準備を!
『聖処女』1943・米年アメリカ
聖処女マリアの姿を見たという、スペインとの国境に近いフランス・ピレネー山脈の寒村ルルドに実在した少女ベルナデットに関する、フランツ・ウェルフェルの小説を映画化した名作ドラマ。
4. 聖人でみてみよう!
i. 神父様の聖人
マキシミリアノ・マリア・コルベ (1894年生)
コンベンツァル聖フランシスコ修道会、ポーランドのカトリック司祭。「アウシュビッツの聖者」と呼ばれ、アウシュヴィッツ強制収容所で餓死刑に選ばれた男性の身代わりとなったことで知られ。日本の長崎での宣教活動では、本河内神学校(聖母の騎士学園の前身) の開校、「聖母の騎士」の活版印刷本を創刊するなど、日本での功績のある聖人です。
ドンボスコ (1815年生)
カトリック教会において「青少年の父・カトリック教育の師」と呼ばれ。若者たちを救うために一生を捧げることを決心し、「オラトリオ」という新しいスタイルの教育事業を始めるために教育修道会を立ち上げた。1934年4月1日、ピウス11世によって列聖されました。
フランシスコ・ザビエル(1506年生)
スペインのバスク地方のナバラ王国の王子。カトリック教会の司祭であり宣教師。イエズス会の創設メンバーの1人。1549年に日本に初めてキリスト教を伝えたことで特に有名。また、日本やインドなどで宣教を行い、聖パウロを超えるほど多くの人々をキリスト教信仰に導いたといわれています。
ii. 修道者の聖人
聖イグナチオ (1491年生)
バスク地方出身の修道士。イエズス会 (耶蘇会)の創立者の1人にして初代総長で、ザビエルを日本に派遣したのは彼。『霊操』の著者としても有名。四谷の聖イグナチオ教会は彼の名前をいただいている。
アシジの聖フランシスコ(1182年生)
フランシスコ会の創設者。
イタリア、アシジの裕福な織物商の家に生まれ、自由奔放な青春時代を過ごすも、棋士を志す。戦地に赴くも、病気により帰還大きな挫折を味わう。病床の夢でイエスに出会い、回心し「裸のキリストに裸でしたがう」ことを求め、清貧生活へ。最も著名な聖人のひとりであり、「シエナのカタリナ」とともにイタリアの守護聖人となっています。
教皇フランシスコは、清貧なことで知られ、貧しい人のために働いた聖フランシスコにちなんで教皇名を「フランシスコ」としました。教会でもよく唱えられる「平和を求める祈り」は聖フランシスコに由来するとされる祈りです。
【平和を求める祈り】
神よ、わたしをあなたの平和の道具としてお使いください。
憎しみのあるところに愛を、
いさかいのあるところにゆるしを、
分裂のあるところに一致を、
疑惑のあるところに信仰を、
誤っているところに真理を、
絶望のあるところに希望を、
闇に光を、
悲しみのあるところに喜びをもたらすものとしてください。
慰められるよりは慰めることを、
理解されるよりは理解することを、
愛されるよりは愛することを、わたしが求めますように。
わたしたちは、与えるから受け、ゆるすからゆるされ、
自分を捨てて死に、
永遠のいのちをいただくのですから。