天を仰いで祈りたくなる場所...⛪️
I. 聖堂全体
①天井
聖堂に入り、まず目を引くのが...天井!"入堂した人の目線が天へ" と向かうようになっています。
花弁モチーフは、ミケランジェロが考えた、ローマのカンピドリオ広場の "訪問者を奥へ奥へ誘うため" の手法にも似ています。
ここから降り注ぐ自然の光は、聖堂をやわらかに満たし、美しい花弁のような天窓を一層引き立てます。
②12使徒の柱
信徒席を囲むように配置された、12の柱。教会を骨組みとして支えるだけではなく、各柱には教会を支えた12使徒の名が割り当てられています。
また、上に行くほど細くなる柱は、花弁の天窓と重なり、祈る気持ちを、より深める空間を演出しています。
▶︎"12使徒について" へ
③壁とレンガ
聖堂の壁のレンガはオランダ産。
重ねる箇所&間隔をあけ重ねる箇所があるのは、聖堂内の音を聞こえやすくするための工夫です。祭壇後部の壁中には、建てたときに寄付をしてくださった方々の名前が大切に埋め込まれています。
④パイプオルガン
ll. 聖堂内のみどころ
①祭壇と聖櫃
この2つは1つのスペイン産大理石の塊から切り出し掘られました。これは、祭壇の上にも聖櫃にも同じキリストが現存することを表します。スペインは教会の守護聖人、聖イグナチオの出身地でもあります。
聖櫃の扉の図柄は「パンを割く」デザインになっています。扉を開けると中はグロッタgrotta(洞窟) のように掘り込んであります。
祭壇の土台と聖櫃の土台に目を向けると、下→荒い模様、上→細かい模様、となっていて、ここにも柱のような "祈りの姿勢" へと招く工夫がなされています。
▶︎ご聖体とは
②信徒席
主聖堂の大きさは、固定座席700席、床面積440坪。
信徒席側全体は、緩やかな "すり鉢状" 設計。
これにより、会衆はどの席からでも祭壇を近く感じ。
また司祭は集まった人の顔がよく見ることができ、生き生きとしたミサを行うことができるのです。
💡ここで豆知識💡
1番高いのは、すり鉢状の最高位 = 最終列席の床...ではなく、最高位にあるのは祭壇。そう、ここは教会。祭壇=神様が1番...そういう風にに造られています。
③復活のキリスト像
教会の中心に据える十字架も意味する、キリスト像。実は、イグナチオ教会だけの特別な表現が施されています。
真下にあるクリプタから真上の主聖堂に、死から復活へと引き上げるシンボルとして作られています。だから【復活のキリスト像】なのです。
西洋のカトリック教会では、茨の冠を付け、血を流したキリスト像が【あがないの象徴】として聖堂の十字架として掲げられています。
私たち日本人には、復活のキリストを見る方が不思議と安心できる方が多いのではないでしょうか?
さて、さて、このイエス様をよく観てみましょう。
東洋的なシャープな目の形、東洋的ななで肩。全体的に、優しさと謙虚さをまとう雰囲気で、両腕を広げて人々を温かく迎え入れてくださっているようです。優しく温かいイエス様は、祈る人々へ大きな癒しをもたらしています。
『復活のキリスト』
・作者: 中野滋
・素材: ブロンズ, 金泥
・解説: なかのしげる氏は、彫刻家である故•船越保武(ふなこしやすたけ)氏の弟子。当教会所属信徒。
④マリア像
日本的な "お母さん"のイメージで制作されました。
当初は、幼な子イエスを抱いた "一般的聖母子像" にするつもりでしたが。
「ひとつの聖堂内にイエス様はおひとり!」という神父様方のお考えで、お腹の中にイエス様がいらっしゃるこの像になった、という経緯があります。
さぁ、この黒くなったマリア様の手をご覧ください。なぜここだけ、黒いのでしょう?
それは、マリア様へ祈りを捧げる時に思わず手を握ってお祈りしてしまうから。日本人もそうですが、特に外国出身の信徒の方は手を握ってお祈りする方が多いそう。お国が違えば祈り方も違う...このマリア像は、超多国籍なイグナチオ教会を象徴してるとも言えます。
『主聖堂マリア像』
・作者: 中野滋
・素材: 長崎産諫早石
⑤告解室
赦しの秘跡(告解) をうける場所。
それぞれの部屋の窓には旧聖堂のステンドグラスが移設されています。
※告解部屋、信者さん席からの画像(入ると...こう見えますよ)
⑥ステンドグラス
順路